山田太郎の気づきノート

タスク管理や効率化、自分の活かし方を中心に、実践を通して得た気づきやコツを図解を交えて紹介します

【本の紹介】失敗学実践講義 文庫増補版

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)

おすすめ度:★★★★★(5/5。おすすめ!)

読了日:2017/4/27

底本:なし(この本が底本)

1.読んだ目的

うっかりミスの予防(月一回以下へ)

2.本の概要

失敗学の大家による、多数の事例を例に挙げながらの失敗学の実践に関するポイントを説明した本。図解も多く事例と合わせてイメージがしやすく、また多数の著書を持つだけあり事例からの一般化もわかりやすい良書。ただし、情報量が多いので図解失敗学や失敗学のすすめなどの類書で基礎知識を仕入れてから読むのがベストかもしれない

3.ポイントと示唆、すること

✔︎ 行動チェックリスト
◻︎安全対策を利用者(使用者)の「個人の自覚」に頼るのはリスクが大きい。やはり責任は提供者側が負うべき
◻︎事故を起こさない努力は続けつつ、それでも事故が起こることを前提として「最悪の事態だけは絶対に避ける備え」をする(本質安全)
◻︎すぐは思いつきにくいが考えれば思いつくという”例外”パターンの事故も、長く続けていればいずれは必ず起こる
◻︎身の回りにある具体的な危険に焦点を当て、そこから安全について考え直す訓練をする
◻︎人間の注意力には限界があることを認め、周りから口出しされても「安全のため絶対必要なこと」を最優先して「いい加減(適度)に対応」する
◻︎マニュアル無視があったら見直しを考える
◻︎マニュアルは使う人自身が作成や更新を主導し、全体を見直しながら常に極力簡素にする
◻︎利用者のわがままを優先すると、必ず危険が顔を出しそこで事故が起こる。時にはサービスを毅然と断る勇気も事故予防には必要
◻︎目の前で起こっていることを観察しながら、「事故が起こるとしたらどういうシナリオか」を考える

①安全対策を利用者(使用者)の「個人の自覚」に頼るのはリスクが大きい。やはり責任は提供者側が負うべき
【示唆と行動】
→利用者も人それぞれ。それを前提とした設計をする

②事故を起こさない努力は続けつつ、それでも事故が起こることを前提として「最悪の事態だけは絶対に避ける備え」をする(本質安全)
【示唆と行動】
→自分も「起こさない努力」は頑張るが「起こった場合の”次善策”」は抜けがち(”負けた気になる”ので考えたくないのかもしれない)
→「起こった場合の”次善策”」もセットで考える習慣をつける(「非常口や消火器の場所を確認する」など)

③すぐは思いつきにくいが考えれば思いつくという”例外”パターンの事故も、長く続けていればいずれは必ず起こる
【示唆と行動】
→対策をすべてにするかはさておき、リスクとしては洗い出し認識はしておく

④身の回りにある具体的な危険に焦点を当て、そこから安全について考え直す訓練をする
【示唆と行動】
→実行。電車や通勤など日々の行動にも潜在リスクはたくさんある

⑤安全を確保するために必要な事柄には階層性がある。人間の注意力には限界があることを認め、周りから口出しされても「絶対必要なこと」を最優先して「いい加減(適度)に対応」する
【示唆と行動】
→実践。特にミスしても「ごめんなさい」でいいことは「いい加減」を意識して(「ごめんなさいする勇気」を持つ)

⑥マニュアル無視は実態に即していないサインで、遠からず必ず大きな事故を引き起こす。マニュアル無視があったら見直しを考える
【示唆と行動】
→実践。「マニュアルの存在や場所を知らない」なども同様の状況と考える

⑦マニュアルは使う人自身が作成や更新を主導し、全体を見直しながら常に極力簡素にする
【示唆と行動】
→まずは自分自身のマニュアルを作ることから。特に”親切な”マニュアルを目指して「追加」が多くなりがちなので注意(例外の対応のまとめ方には工夫が必要)

⑧利用者のわがままを優先すると、必ず危険が顔を出しそこで事故が起こる。時にはサービスを毅然と断る勇気も事故予防には必要
【示唆と行動】
→「必須」と「サービス」の線引きを意識する。サービスの部分についてはリスクとのバランスを常に意識し、あまり安請け合いしない(「検討させてください」を原則とする)

⑨目の前で起こっていることを観察しながら、「事故が起こるとしたらどういうシナリオか」を考える(「予防」だけでなく「発生後の対応」も考えることを忘れずに)
【示唆と行動】
→実践

※なお、今回は「うっかりミスの予防」を主目的としたが、失敗の脈絡を分析するための「原因・行動・結果まんだら」や体系的に分析するための「思考展開図」などについてはぜひ再読し身につけたい内容

★示唆のまとめ(統合)

人間には限界があるし、ミスはどこかで必ず起こる。常に「ミスの芽」に目を光らせ、可能性を考えることが重要

4.3か月後にどうなっていたいか

うっかりミスが月に1つ以下

こんな人におすすめ!

失敗学の大家による、多数の事例を例に挙げながらの失敗学の実践に関するポイントを説明した本で、図解も多く事例と合わせてイメージがしやすく、また多数の著書を持つだけあり事例からの一般化もわかりやすい良書と感じました。失敗学を学びたい人の2冊目以降の本としてぜひおすすめしたい本です。

「いつも”気を付けている”のにミスが減らない!」という人はぜひ一度読んでみてくださいね。きっと役に立つヒントが見つかるはずですよ!(^^)/

今回の本

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)

言葉のかけら(振り返る勇気)

学びにおいては、前に進むよりも後ろを振り返る方が難しい。

しかし、振り返る方が得られるものも多いことがしばしばある。

「後ろに進む勇気」は前に進む勇気より得難いが、相応の見返りはあるものだ

【本の紹介】仕事が速いのにミスをしない人は何をしているのか?

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?

おすすめ度★★★★☆(4/5)

読了日:2017/03/13

底本:なし

1.読んだ目的

最近また増えて来たうっかりミスの減少+仕事のスピードアップ

2.本の概要

失敗学会副会長の著者が、ビジネスにおけるミスを予防する方法とそれによる仕事のスピードアップについて読みやすくまとめた本。失敗学といえば畑村洋太郎だが、大家とはまた違った視点の本となっており類書を読了済みでもポイントのおさらいとして読む価値がある

3.ポイントと示唆、すること

✔行動チェックリスト
◻︎失敗の予防は、過去に必ずヒントがある。他業界含め先人の失敗を知り予防するのがまず何より重要
◻︎注意力ではミスはなくならない。ミスを防ぐために常に集中しなければならないなら、それは作業そのものの設計に問題がある。そういう作業は作業そのものを注意しなくてもミスが起こらない仕組みに切り替えていく必要がある
◻︎共有データは1か所に保存し、2種類以上のバックアップを取る
◻︎一人が見誤りやすいポイントは次の人も見誤りやすい。逆の順(上から打ち込んだら下からチェックする)でチェックするなど、方法を変える工夫が必要
◻︎ 自分の仕事をマニュアルに落とし込み、「正しいけれどわかりにくい」(=ミスの温床)手順がないかチェックする
◻︎指示は言葉を変えて復唱してみる。相手がピンと来ていなければ再確認
◻︎「起こってほしくないこと」をまず考え、「それがどうすれば起こるか」の考えうるすべての要因、その発生可能性を考え、可能性が高いものについて優先して対策していく(フォルトツリーアナリシス)
◻︎失敗は「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」の4つに大別できる
◻︎「注意不足」(うっかりみす)には「注意すべきタイミング」と「ダブルチェックの質」がすべて。タイミングがわからなければ人間の注意力は持続できない。「作業が惰性になってもミスが起こらないようにするにはどうすればいいか」を考える

①失敗の予防は、過去に必ずヒントがある。他業界含め先人の失敗を知り予防するのがまず何より重要
【示唆と行動】
→何事も「車輪の再発明」はせず、まず先人から学ぶことを考える。試行錯誤はその先で(なお、先人の知恵を実践する過程でもある程度の思考サック後は自然になされる)

②注意力ではミスはなくならない。ミスを防ぐために常に集中しなければならないなら、それは作業そのものの設計に問題がある。「作業が惰性になってもミスが起こらない仕組み」を考える
【示唆と行動】
→「できないことをしようとしない」(=できないことを認める)がミス予防の第一歩
→2回以上同じようなミスが起こるようなら、手順の再設計を試みる

③共有データは1か所に保存し、2種類以上のバックアップを取る
【示唆と行動】
→実行

④一人が見誤りやすいポイントは次の人も見誤りやすい。逆の順(上から打ち込んだら下からチェックする)でチェックするなど、方法を変える工夫が必要
【示唆と行動】
→落とし穴は誰でも同じもの。これは仕事や生活全般に当てはまる
→マニュアルを逆順でダブルチェック(実行済み)。自分のヒヤリハットを週1くらいで他人に紹介?

⑤自分の仕事をマニュアルに落とし込み、「正しいけれどわかりにくい」(=ミスの温床)手順がないかチェックする
【示唆と行動】
→文字にすることで「わかりにくさ」が見える化され、気づくチャンスになる
→「作業メモ」レベルでいいので、していることを極力文字化する

⑥指示は言葉を変えて復唱してみる。相手がピンと来ていなければ再確認
【示唆と行動】
→実践(相手の表情も見ながら)

⑦「起こってほしくないこと」をまず考え、「それがどうすれば起こるか」の考えうるすべての要因、その発生可能性を考え、可能性が高いものについて優先して対策していく(フォルトツリーアナリシス)
【示唆と行動】
→逆順での思考が抜け漏れ予防には重要
→前半部分はある程度習慣あり。後半(特に発生可能性)について強化を

⑧失敗は「注意不足」「伝達不良」「計画不良」「学習不足」の4つに大別できる
【示唆と行動】
ヒヤリハットがあったときどれに当てはまるか考えてみる(テンプレ化?)

⑨「注意不足」(=うっかりミス)には「注意すべきタイミング」と「ダブルチェックの質」がすべて。タイミングがわからなければ人間の注意力は持続できない。
【示唆と行動】
→チェックリストの作成(ダブルチェックタイミングを含めたもの)と、逆順ダブルチェックの継続

★示唆のまとめ(統合)

先人や他業種に学びながら「ミスが起こりようがない仕組み」を考え、実践することが重要

4.3か月後にどうなっていたいか

うっかりミスが月に1つ以下(今は3つ以上くらい?)

こんな人におすすめ!

失敗学を仕事に活かしたミス予防&それによる仕事のスピードアップのためのわかりやすい本で、ポイントがよく絞られており入門編に最適な本と感じました。

「”気を付ける”だけではミスが減りきらない……」という人や「ミスを減らしつつスピードアップもしたい」という人はぜひ一度読んでみてくださいね。きっと役に立つヒントが見つかるはずですよ!(^^)/

今回の本

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?

仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?