【プレゼン・スピーチ】プレゼン デモ分析(プレゼンデザイナー 市川さん)
こんにちは、山田太郎(仮名)です。
今回は、ある方のプレゼンに対する分析を
「分析サンプル」という形で紹介させていただこうと思います
(プレゼンターの市川さんの許可は事前に頂いています)。
私自身、まだまだ修行中の身なので「これが正解!」などという
大層なものでは全くありませんが(そもそも正解などない気もします)、
「分析サンプル」ということで皆さんの分析眼向上のお役に
少しでも立てれば幸いです(そういう意味では今回は私自身が「生贄」(笑))。
まあ、堅苦しい話はこれぐらいにして「こんな感じで『人の振り見て
我が振り直す』んだな~」くらいでご覧になって下さいなm(_ _)m
●関連記事
【プレゼン・スピーチ】プレゼン勉強会(3/27)に参加してきました!+プレゼン勉強会の紹介
【プレゼン・スピーチ】「どう伝わったか」は聞き手のメモで知りましょう
なお、今回のデモ分析は上のリンクにもある3/27の勉強会で
市川真樹さん(詳細は後述)が行ったセミナー冒頭10分間の
「つかみ」のプレゼンを使用しています。市川さん、ご協力
本当にありがとうございますm(_ _)m
●参考リンク
……とまあ、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、
そろそろ本題の分析に入りますね(^^;)
●今回のプレゼンター
市川真樹さん(プレゼンテーションデザイナー)
(特にパワーポイントを使ったスライド作成がご専門です。
詳しくは以下から PowerPointでいこう♪ : 市川真樹のプロフィール)
【プレゼンテーションの設定】
・セミナー導入部の「つかみ」の部分(10分程度)
・聞き手は「セミナー講師で、スライドの作り方を学びに来た人」
・ゴールは「セミナー参加者の心をつかみ、その後の本編に
意欲的に取り組んでもらうこと」(だったはず汗)
※既に市川さん自身が実際に何回か行っているセミナーの冒頭部分です
ちなみに、この設定を確認するのもプレゼン勉強会の隠れたポイントです。
達成すべきゴールがわからないと、プレゼン分析でもついつい「話し方」
(スライド等含む)そのもののみに目が行きがち。でも、少し考えてみれば
分かる通り、プレゼンは「目的」ではなく「手段」なのです。
だから、プレゼンで本当に大事なのは話し方そのものより
「目的を達成するのにどれだけ効果的か」。ゴールを事前に
確認することで「ゴールを達成するにはどう工夫すればよいか?」と
目的を軸に分析ができるようになります。
【分析結果】(プレゼン時間:7分程度)
(聞き手メモ)
(ちなみに、余談ですが最初の2分は不覚にも引き込まれてしまい
メモをとることができなかったため、全体にメモの分量が少なめです(^^;))
(聞き手メモについての詳細は以下から
【プレゼン・スピーチ】「どう伝わったか」は聞き手のメモで知りましょう)
前述のように、プレゼンを「手段」と位置付けるならば
「聞き手にどう伝わったか」がとても重要になります。
なぜなら、聞き手は厳密には「話し手が伝えたかったこと」
ではなく「自分に伝わったこと」をもとに行動するからです。
なので、プレゼンの向上には
①自分の伝えたかったこと - ②聞き手に伝わったこと
= ③伝えきれなかったこと
を明確化するのが極めて重要になります。
ここで、「①自分の伝えたかったこと」は当然自分の中にありますが、
「②聞き手に伝わったこと」は自分だけでは十分に知ることが
できないので、聞き手から何らかの形で教えてもらう必要があります。
この①と②を明確にすれば、その差から「③伝えきれなかったこと」がわかり、
次にその原因「④なぜ伝わらなかったのか」を分析していくことになります
(自分で書いていてなんですが、これかなり大変ですね……それこそ
セミナーとか研修の1時間単位のワークの作業量かも(^^;))。
今回は自分の分析眼向上のため聞き手の立場として行っているので、
逆に「②聞き手に伝わったこと」しか正確にはわかりませんが、
まあ「聞き手がどう行動するか」にはここが一番重要ですし、他は
想像しながら分析していきましょう。
逆に、この勉強会に限らず自分がプレゼンターならばできるだけ
聞き手のメモ等を見せてもらうなどして「②聞き手に伝わったこと」の
情報収集をしましょう(実際にはお客さんにやってしまうと引かれて
しまうかも知れないので、結局こういう勉強会の場を使うのが一番でしょう)。
(フィードバックシート)
(記入したフィードバックシート。これは勉強会のオリジナルではなく、
私なりに改変したものです)
そして分析のキモ、フィードバックシートです。
実は、時間が足りなくて十分に書き込めていません(^^;)
聞き手メモの右下、左の上下の部分は、本来フィードバックシートに
書かれるべき内容です(汗)。
さて、ここまで来てようやく本番の分析なのですが……
全て書くとあまりに長い記事になってしまうので(汗)
とりあえず特に重要なポイントだけ書いておきますね。
1.ゴールの達成度評価(感性と論理)
このメッセージ、そして第一印象の「また聞きたく
なりました」(私は以前市川さんのセミナーを受講
しています)を合わせて考えると、少なくとも聞き手の
私に対しては上記のゴールは達成できていると思います。
さて、一番大事な聞き手が受け取ったメッセージですが、
ここで私は「パワポに殺されないために、スライドの役割、
鉄則、ワザを理解しよう」だと受け取りました。
このプレゼンは先ほど書いた通り「2時間セミナーの
つかみ」であり、目的は「聞き手が引き込まれて、
本編に意欲的に取り組むこと」です。
さて、さすが市川さん、いきなりゴールを達成して
しまっているのですが(汗)、今回の分析のそもそもの趣旨は
「プレゼンを分析し、分析眼を鍛え、それを自分のプレゼンに
活かす」ことなので、ここで終わるわけにもいきません(汗)。
ということで、「なぜゴールを達成できたか。私より『厳しい
聞き手』が相手の時にもゴールを達成できるよう、更に良い
プレゼンにするには?」という視点で分析します(会場には20人
いたので、もしかしたら1人くらいは興味を持たなかった人もいるかも)。
2.気づきメモを元にフレームワークによる整理・分析・提案(論理と感性)
さて、ということで分析ですが、前出の気づきメモを元に
分析していきます。
私のメモ書きはなんちゃってマインドマップ(どうやらメモリー
ツリーというそうです)を元にしたものですが、適切にメモが
取れていればこのツリーの構造や順番で「聞き手の
頭にどういう構造で理解されたか」がわかります。
また、伝えたかったことがそもそもメモに書かれていなければ、
それはそれで非常に重要な情報です(つまり、「無」の情報にも
注目する必要があります)。
……でも、すいません、今回は話に聞き入り過ぎて、質の高い
分析ができるほどのメモができていませんorz 一応、残ったメモを
元に、今回は印象をもとに箇条書きで振り返りたいと思います。
(ちなみに、きちんと記録ができていてもこれはこれで
「何が印象に残っているのか」という切り口で別の価値があります
から、メモを見返す前にするとより分析の質が上がるかも知れません)
ということで特に思ったすばらしい点を3つ、気になった点を2つ挙げておきます。
(○よい ◎とてもよい ▲気になった ☆更に良くするための提案)
●素晴らしい点(売るほどありましたが……)
◎聞き手(セミナー講師)の痛み(せっかくセミナーに来てくれた
見込み客を逃す)を明確化し、かつテーマと結び付けて語った
(「スライドに『殺られて』いる」)
◎「パワポ死」というとてもわかりやすいキーフレーズ
※パワポ死:退屈すぎるスライドで聞き手が”死体のように”眠ってしまうこと
☆「スライドに殺られている」との兼ね合いで「パワポ死は、あなたも殺します」のようなつなげ方もアリかも
◎聞き手デモ。実際に「悪いスライド」を見せてあえて「読ませ」、
「……ほら、こういうスライドだと話が頭に入らないでしょ?」と実演
(これが特にすばらしい!「自分ごと」にするとても素晴らしい工夫で
唸らされました)
●気になった点
(プロ向けの基準で分析しているので、普通より劣るという意味ではなくそもそもの
基準になるハードルがかなり高めです)
▲「ゼロをプラスにする(提案の先にどういうプラスがあるのか)」話が少なめ
☆「パワポ死」を代表とした「マイナスをゼロにする」話は十分盛り込まれて
いたが、「ゼロをプラスにする(その先にどういうプラスがあるのか)」
という話もあれば、バランスが取れてさらに良かったと思います。単純に表現を
変えるだけでも、聞き手にもっと前向きにアピールできると感じました
(参考記事)
yamadakameimemo.hatenablog.com
▲キービジュアルに、もう一歩唸らせてくれる工夫が欲しい
☆「パワポ死」スライドを、単体の3枚ではなくパラパラ漫画風の連続したアニメーションにして「聞き手の動き」をさらに生き生きとわかりやすく(スライドのプロなので、あえて動画ではなくスライドで)
☆「見込み客」スライドを、それぞれ出した後に1枚で流れがわかるような
スライドを(フィードバックシートの右にある漏斗のような図)
☆最後のこれから始まる「スライドの役割、鉄則、ワザ」は、この3つの要素をまず
大きくスライド中央にどーんと出して、アニメ―ション等で小さくしながら上に
移動すると、よりわかりやすい(人の目は小さいもの=大切じゃないと
認識する面があるので)
これらを▲にするのはかなり無理がある気がしますが、プロ基準ということで(汗)。
「パワポ死」と「見込み顧客が逃げる」、そしてつかみの最後の「スライドの
役割、鉄則、ワザ」の3つは特に大事なキービジュアルだと感じました。
この3つについては、更にレベルの高い、聞き手を唸らせるような工夫を
することで、市川さんがプロであるということが「見てわかり」(「見せる
(魅せる)」スライドのプロですから)、講師への「信頼感」と「この後の
本編に対する期待感」を更に高めてくれるのではないかと思いました。
私にはできませんが、きっとプロの市川さんならできるはず!|д゚)
↑これは「自分のできないことは言わない」という私の評論家の作法に外れますが、
まあ柔軟性も大事ということで(^^;)
(実際、よく考えてみれば本当のプロの方へ趣味の私ができるレベルの提案なんて、
逆に失礼になりますからね汗)
4.全体を通して(+どれを相手に伝えるか)(感性と論理)
がんばって提案をしましたが汗、さすがにプロだけありコンテンツ(内容)、
ストラクチャー(構成)、デリバリー(話し方)どれも相当レベルが高いです(^^;)
今回は触れませんでしたが、デリバリー(話し方)も極めてレベルが高かったです。
一度セミナーに出た私でさえ、フィードバックシートにもあるように
もう一度聞きたくなりました。
現時点で完成度が極めて高いですが、「聞き手にとっての価値観(と印象)」
にさらに踏み込むことで更に完成度が上がり「スライド上級者さえ聞きたくなる
セミナー」になってしまうのではないでしょうか(何この表現)。
市川さんのさらなるご活躍を祈っております(*´▽`*)
5.自分のプレゼンにどう活かすか(感性と論理)
……すいません、力尽きましたorz 実はこの部分は既に原稿は
書いてあるのですが、長くなりすぎるのもありますので
別記事として書かせていただこうと思いますのでご了承くださいm(_ _)m
……とまあ、これでようやく一通り終わった感じですね。
したり顔で説明してきましたが、今まで感覚的に
やっていたことを意識化・言語化して体系立てたので
正直めっちゃ疲れた&時間かかりました(;´Д`) 多分通常記事の
10本分くらいの労力+時間はかかったんじゃないでしょうか;つД`)
でもこれはこれでなんとか形にまとめることができたので、
あとはこれを軸に更なる実践の中で磨き上げていきたいと思います。
まあ冗談はさておき、これは今回勉強会でデモスピーカーを、そして
今回の記事のデモ分析を快く受けて下さった市川さんのおかげです。
改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございましたm(_ _)m
また、今後もプレゼン勉強会等でよろしくお願いします(お手柔らかに(^^;))。
●今日の一言
「人のふり見てがふり直せ」
◆参考
今回のプレゼンター、市川真樹さんのブログ
今回は当初記事にしないつもりだったので本命のスライドが
ありませんでしたが、ブログには素敵なスライド+その作り方が
たくさんありますよ(^^)/ おすすめです
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